すずめ踊り(宮城県)
宮城県で有名なすずめ踊りは、1603年仙台城の落成の祝いの席で、大阪から石垣づくりの協力に来ていた石工が宴席で即興で披露した踊りが起源だといわれている。西国らしい小気味よいテンボ、躍動感あふれる身振り、伊達家の家紋が「竹に雀」であったこと、はね踊る姿が餌をついばむ雀の姿に似ていたことから「すずめ踊り」と名付けられ、長く伝えられることとなりました。
このプログラムは、子供達が地域伝承の踊りの学習と、その踊りを活かした「地域ダンス」の創作活動に取り組むプログラムです。プログラムの実践を通し、地域伝承の踊りの“踊り方”を学ぶだけでなく、踊りに秘められた地域の歴史を学習し、地域の歴史や文化への理解を深めていきます。そして地域を表現する「地域ダンス」を創作するグループワークに取り組むことで、子供達の住む地域をより深く理解し、「地域に対する誇りと愛情、自尊感情」を育むことを目指します。
グループワークによる学習を主とし、体育や社会(地域学習)、総合的な学習の時間、特別活動などさまざまな教科の要素を横断的に取り組むため、地域学習の学びを活かした発表として、また運動会の作品づくりの一環としてや、キャリア教育のプログラムとして活用することが可能です。
踊育(だんいく)キャリア教育プログラムは経済産業省
「第11回キャリア教育アワード」で優秀賞を受賞致しました
2022年度のプログラムの無料実施校の募集をスタートしました
クラス・学年のチームワーク力と1人ひとりの自己肯定感がグンッと高まる!
キャリア教育プログラム
プログラムには、大きく分けて3つの特徴があります。
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地域伝承の踊りを学習に取り入れる学校は沢山ありますが、踊り方や動き方を模倣するのみで学習を終えてしまう学校がほとんどです。
日本各地で踊り継がれている踊りの所作(動き)や掛け声、歌詞には、その地域が誇る歴史や文化的な意味が込められています。例えば、宮城県栗原市の文字地区に伝わる「文字甚句」には、両手で円を描きながら頭上へ挙げる所作と、八の字を描きながら両手を広げる所作があります。八の字を描く所作は、地域が誇る名峰、栗駒山の裾野を表し、円を描きながら頭上に挙げる所作は、「踊れ今夜の月出るまでも明日は働け星出るまでも」という歌詞に出て来るお月様を表しています。この歌詞は、「今日は夜まで楽しく踊ろう、そして次の日は、また夜まで一生懸命働こう」という意味であり、江戸時代から昭和初期にかけて林業と鉱業で栄えた文字地区の人々が、日々の重労働を懸命に努め、そのつらさや疲れを癒すように文字甚句を踊っていた当時の様子が表されています。
このように、所作や歌詞にまつわる地域の歴史や文化を深く学ぶことができる地域伝承の踊りは、地域学習の素材として最適だと考えています。また、動き方を模倣するだけでなく、踊りに秘められた、知られざる地域の歴史や先人の思いに触れることで、自分が住む町にある踊りや地域そのものに対して畏敬の念を抱いたり、興味や誇りを持つことにもつながってゆきます。
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このプログラムでは、子供達は地域伝承の踊りを、その地域で受け継いできた人たちから学びます。地域の方が、法被や着物、ねじり鉢巻きをして、威勢の良い声で子供達へ踊りの指導をすることで、普段は子供達と共通の話題がなく、あまり接点を持たない地域のおじいさんやおばあさんが、ハレの日の特別な“踊りの先生”となります。“踊りの先生”と子供達が“地域伝承の踊りを取り入れたダンスを創作する”という共通の目標を持ち、力を合わせて地域の宝が詰まった踊りの所作を取り入れた「地域ダンス」を創作することを通し、お互いの絆が世代を越えて深まります。
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地域伝承の踊りを通して学んだ踊りの所作や地域が誇る歴史や文化を、クラスの仲間や踊りを教えてくれた地域の方と意見を出し合い、切磋琢磨しながら地域を表現する「地域ダンス」の創作に取り組むことで人間関係形成能力、課題対応能力を育むことができます。
プログラム全体を通して、地域の踊りの指導者と交流を深めながら、子供達が生まれ育った地域の歴史と魅力、歴史を繋いできた人々の魅力に気づくことで、自分達が住む地域を誇りに思い、その地域に生まれ育た自分自身のことも誇りに思うことに繋がり、自尊感情を育むことを目指します。
関連教科 |
体育、社会(地域学習)、総合的な学習の時間、特別活動 ※地域学習の学びを活かした発表として取り組むことや、運動会で発表する作品づくりの一環として取り入れることが可能です。 |
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実施対象 | 小学1年生~小学6年生、中学1年生~中学3年生 |
授業時間数 | 4時間~10時間 |
宮城県で有名なすずめ踊りは、1603年仙台城の落成の祝いの席で、大阪から石垣づくりの協力に来ていた石工が宴席で即興で披露した踊りが起源だといわれている。西国らしい小気味よいテンボ、躍動感あふれる身振り、伊達家の家紋が「竹に雀」であったこと、はね踊る姿が餌をついばむ雀の姿に似ていたことから「すずめ踊り」と名付けられ、長く伝えられることとなりました。
その昔、羅刹という鬼が南部盛岡城下にたびたび現れては悪行の限りを働き農民たちを苦しめていた。その鬼を三ツ石神社の神様が退治をしたことで、農民たちが喜び、三ツ石のまわりを「さんさ、さんさ」と感謝のまごころを捧げて踊ったのがさんさ踊りの起源だと言われている。さんさ踊りの掛け声には、「鬼よ去れ」「幸せを呼ぶ」という意味が込められている。
大阪市で約1800年前から踊り継がれている「住吉踊り」には、稲穂に付いた害虫を叩く所作や「心」の字を描く所作があり、害虫駆除で豊作への願いを表し、心の字を描くことで皆の心を一つにして幸せが続くようにと願った住吉大社の社僧の想いが表現されています。
約600年前に田原地区に伝わった伝統的な音頭取りの技法を保ったまま、現代まで口伝で伝承されている踊り。その歌詞には、地域の賢人、偉人の生きざまや教訓が唄われ、田原地区が誇る歴史や文化が刻み込まれています。伝統的な音頭取りの発声法の伝承者は全国で3名のみとなっている。平成11年に奈良県民俗無形文化財に指定。
ダンスの基礎と「地域ダンス」のベースとなる振付を習得します。
祭りや踊りの起源、先人の想い、継承してきた人達の想いや歴史的背景などを地域の歴史と関連づけて学びます。
踊りの所作の意味、歌い方、歌詞の意味を学び、所作に込められた意味や想いも表現します。
そうか!私たちの町のお祭りや踊り、伝統芸能にはこんな歴史や意味があったのか!
地域の踊りの指導者の協力を得て、地域伝承の踊りを取り入れた「地域ダンス」の創作に取り組むことを通し、子供達と地域の踊りの指導者の絆が深まります。
立ち位置や、ポーズ、チーム名など、決められた時間内にアイデアを出し合い、話し合いを重ねます。人の話をしっかり聞くこと、皆の意見を一つにまとめる力を身につけます。
「地域ダンス」を発表することで達成感と表現力を養います。発表会後は踊りの指導者やプロダンサーと児童生徒が一緒に「地域ダンス」を踊り、交流を深めます。
深く印象に残ったこと、工夫できたこと、大切だと感じたことなどの振り返りをします。
ポイント1
地域伝承の踊りは地域の歴史と密接なつながりがあるため、地域伝承の踊りを学ぶことは、地域の歴史や風土、文化を学ぶことにつながる
ポイント2
地域の方から地域伝承の踊りの歴史や所作の意味、踊り継いできた想いを学び、創作を共にすることで、地域の方と子供達が世代を越えて絆を深める。単なる踊りの学習ではなく、踊りの継承、文化の継承となる
ポイント3
地域伝承の踊りの所作や歌詞に込められた地域の歴史や文化などの意味を崩さずにダンスに取り入れるためにはどのような表現にしたら良いのかを仲間と意見を出し合い、考え抜くことで、課題対応能力、人間関係形成能力を養う。
ポイント4
発表に向け仲間と励まし合いながら、自分の役割を果たして取り組み、発表会までやり遂げることで、達成感味わうことができ自己肯定感を育む。
栗原市立鶯沢小学校での栗原市の地域の踊りである「文字甚句」と「リズムダンス」を融合させたキャリア教育プログラム 公開実践発表会の様子
栗原市立鶯沢小学校で実施した、栗原市の地域の踊りである「文字甚句」を活用した「地域の踊り」と「リズムダンス」を融合させたキャリア教育プログラムの取り組み事例の紹介と、担当教諭と文字甚句の指導者による取り組みを通しての感想をお話しいただきました。
大阪市立東桃谷小学校で実施をした「豊国踊り」を活用したキャリア教育プログラムの実践発表会の様子
大阪市立東桃谷小学校で実施した、「豊国踊り」を活用したキャリア教育プログラムの取り組み事例の紹介と、担当教諭からプログラム実践を通ての感想をお話いただきました。
福島県郡山市にて郡山市小学校教育研究会との共催で実施をした「うねめ踊り」を活用したキャリア教育プログラムの実践研修会の様子
福島県郡山市の代表的な踊りである「うねめ踊り」を活用したキャリア教育プログラムの授業の実践方法を紹介。研修会後半には、うねめ踊りの動きを活かした表現方法を実践形式で分かりやすくお伝えしました。
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本プログラムを活用をされる小学校、中学校へ無料でダンスインストラクターを派遣します。
ダンスの基礎指導と、地域の踊りとのミックスに必要な1分間の振付を児童へ指導します。
1日の時間調整を工夫していただくことで1日3時間の派遣で「リズムダンスの授業」、「地域の踊りとリズムダンスのミックス」を実施することが可能です。
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児童用のワークシート、指導案、ダンスの振付シートなど、授業実施に必要なツールは、下記よりダウンロードのうえ、ご活用ください。
指導案雛形
児童用ワークシート
踊りの歴史授業台本(参考)
踊りの歴史に関する質問事項
依頼シート 踊りの指導者
ダンス振付シート
振付映像1分
振付映像3分
「地域ダンス」の創作を通じて地域を深く学び、自尊感情を育むプログラム
主催:ダイドードリンコ株式会社
共催:公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会(NSSA)
当社グループの理念は「人と、会共に喜び栄える」でありそ実現ためしてダイナミックなチャレンジを続ける」こと掲げております。
当社はこの理念のもと、2003年より「ダイドードリンコ 日本の祭り」と題し、日本各地にある伝統的なお祭りの支援を通し、地域社会の活性化や地域の伝統芸能の継承に貢献して参りました。全国で400以上のお祭りの支援を通し、日本各地で行われているお祭りの魅力や、お祭りを作り上げる地域の人々の情熱や心意気などを感じております。
また、2012年度より「東北ダンスプロジェクト」と題し、東日本大震災の影響で被災した岩手県、宮城県、福島県の児童生徒を対象にした無料のダンス出張授業を実施することで、被災地の子供達に元気と笑顔をお届けして参りました。ダンス授業では、子供達が自分達で考えた「決めポーズ」を創作し、掛け声を出して力いっぱいに全身を使って踊り、お互いの練習の成果を見せ合い、認め合う活動を通し、自己表現力やコミュニケーション能力を高めたり、心を解放して自己肯定感を育むことを目指し、現在までに延べ700校以上、5万人以上の児童生徒へダンス授業を実施しています。また子供達が笑顔で元気いっぱいにダンス東北ダンスプロジェクトでのダンス授業の様子に取り組む姿は、見ている大人に元気を与え、地域復興の大きな力になるということを、この取り組みを通して感じることができております。当社グループはこのような社会貢献活動にチャレンジすることを通し、地域社会と共に喜び、共に栄える関係を築いて参りました。
地域社会との共存共栄のためにチャレンジし続ける中、地域の大きな力となる子供達を含む若年世代が都市部へ流出してしまい、地域を支える力が失われつつあるという現状を、日本各地の祭りを支援する際や、ダンス授業を実施する学校の児童数の減少などで感じる機会が増えてきました。
日本各地の祭りの支援を通し、全国にはその地域の歴史を語るうえで重要な伝統芸能、その祭りを支える人や風土、文化などの魅力が沢山あることを私たちは実感しています。若年世代の都市部への流出の原因の1つとして、自分達が住む地域の魅力に気づいていないことがあるのではないかと考えます。子供達が地域の祭りや踊りの学習を通して、地域の歴史や文化の魅力、それらに関わる地域の人々の魅力に触れる機会を作ることで自分達が住む地域への愛着が深まり、都市部へ出て行ってしまった子供達が将来、地元に戻ってくるきっかけにつながったり、地域の未来を支える存在として活躍してもらえるのではないかと考えました。
全国400以上のお祭りの伝統芸能やそれに関わる人々の魅力に関わり続け、5万人以上の子供達に体を動かすことの楽しさや、お互いを認め合いコミュニケーションすることの楽しさを伝えてきた当社だからこそ、子供達に地域の魅力をコミュニケーションを通して楽しく伝えることができる授業があるのではないかと考えました。
2019年10月8日
奈良市立伏見南小学校での授業の様子
そこで、地域の魅力が沢山詰まった地域伝承の踊りの歴史や文化、踊り方を地域の方から学び、学習したことをダンスで表現をする創作活動に地域の方にも協力していただきながら取り組むことで、子供達が地域の方と交流しながら自分が生まれ育った地域の歴史や文化、人の魅力に気づくことができる本キャリア教育プログラムを実施することに致しました。このプログラムを通し、地域を誇りに思い、自尊感情を育み、何事にも積極的に挑戦する気持ちが子供達の心に芽生え、地域を明るく元気にしてゆく人材に成長することを期待しております。
※リズムダンスの音源、模範映像の動画データをご希望の先生は、下記までお問い合わせください。
TEL 06-6222-2621(キャリア教育プログラム担当)